先代より相続した土地を売ると多額の税金が課される可能性がある?

 先代より相続により取得した土地を売却すると、場合によっては多額の税金が課されてしまいます。
 土地を売却すると、売却に対する儲けに対して所得税・住民税が課されます。この儲けは譲渡所得と言い
         ※1  ※2
    「売却額-取得費-譲渡費用」

 で計算されます。この算式により計算された譲渡所得に対して所得税約15%、住民税5%が課されます。

   ※1 取得費とは、土地を買い入れたときの購入代金をいいます。(先代が他者から購入した時の購入代金です)
   ※2 譲渡費用とは、土地を売却するために支出した費用をいい、仲介手数料・測量費・契約書の収入印紙・建物を
      壊して土地を売る場合の取り壊し費用などをいいます。

 ここで問題になるのが取得費です。先代から継がれてきた土地の場合、先代が他者から購入した時の契約書等を紛失して購入代金がわからないことが多いです。この場合、売却額の5%を取得費とする取り扱いがあります。
 よって、例えば5,000万円で売れた土地を250万円で購入したものとされてしまうので、売却額に対して95%分儲けたことにされてしまうのです。
 この方法で所得税・住民税を計算すると多額の税金が課されることになります。例えば

   売却額 5,000万円
   取得費   250万円(5,000万円の5%)
   仲介手数料 200万円
   測量費   100万円

 の場合、

   所得税約680万円
   住民税約220万円

 と約900万円の多額な税金が課されることになります。大昔に購入したものではない土地であれば、5,000万円で売れた土地の購入代金が250万円なんて格安であるケースはあまり多くないと思うので、土地の購入時の契約書がしっかり保管されているか一度ご確認されることをおすすめします。
 逆に、大昔に購入した土地の場合、現在と昔の貨幣価値の違いにより、売却額の5%の方が実際の購入代金より高い場合もあります。このように実際の購入代金がわかってて売却額の5%の方が高い場合でも、売却額の5%を取得費とすることができます。

 このように、土地の売却には多額の税金が課される可能性があります。例えば土地を売却して新たに不動産を購入しようと考えている場合に、所得税・住民税の納税があることを忘れてて、不動産の購入に充てるお金が不足してしまうなんて事態になりかねません。
 このような事にならないように、売却する前にしっかりと税金の試算をしておきましょう。


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